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救われた卒業式!前撮り写真館に感謝

私の娘は2020年3月、東京の大学を卒業しました。卒業とは言ったものの、コロナ禍で卒業式は挙行されず後日卒業証書を受け取りに学校へ行くというもので、何とも寂しい母校との別れでした。
私は和装を趣味としており、卒業式には和服で参列、娘にも袴と振袖を着せるつもりで準備していたのです。私の着物は手持ちのもの、娘には成人式に着た振袖にネットで購入した袴を合わせて着せる予定でした。

お正月に娘が帰省した折、着付けの練習と試着をしたのですが、その様子を見ていた着付け教室の先生が、「きれいに着れてるじゃない、いっそもう記念写真撮っちゃえば」と思わぬ助言をくださいました。

考えてみれば東京で母子の記念写真を撮る予定はありませんでした。卒業式のタイムスケジュールもわかりませんし、お友達とのやりとりでこちらの思う通りに日程が進むことはあり得ません。
わが家は娘が東京に出るまでは全ての入卒式を写真館で記録に残してきたのです。
卒業式は予定通りに進まない、学校近くで写真を撮ってくれるお店もわからない、という理由で大学卒業の記念写真を撮ることは始めから諦めていました。

ですが、着付け教室の先生の一言で、そうだ、前撮りすればいいんだ、と気付きました。
早速小さい頃から撮ってもらった写真館に電話です。娘が袴を着けて私が訪問着を着れば、無理に予定を詰めて卒業式の日に写真を撮らなくてもいいんですよね。

正月3日に前撮りをして、写真館の人も娘の卒業を祝ってくれました。
娘が帰省を終えて東京に戻ると、関東一円にコロナウィルスの影響が出始めます。一体卒業式はどうなるのか、決定がなされたのは予定日の5日前です。
娘の大学卒業式は永遠に無くなりました。

悲しくてがっかりはしたものの、私たちの手元には写真館で前撮りした記念写真が残っています。涙が出るほど嬉しかったのは言うまでもありません。写真館の人にも前撮りを勧めてくれた着付け教室の先生にもどれほど感謝していいかわからないほどです。娘の卒業式は地元の写真館で前撮りした数枚の記念写真に救われました。